新渡戸記念館をめぐる行政訴訟、差し戻し控訴審が結審
青森県十和田市にある新渡戸記念館の廃館問題をめぐる行政訴訟の続報です。
仙台高裁で行われていた差し戻し控訴審が昨日(5月20日)結審し、上田哲裁判長は、建物の耐震再試験(鑑定)の実施を求めず、判決までに双方が和解を検討するように勧告しました。
そもそも市側が言い出した「耐震性に問題あり」とする診断結果に様々な疑念があることが専門家からも指摘されていたため、第三者による再試験の実施を新渡戸家側は求めていたのですが、地裁に続き、高裁でも「それは必要ない」とする十和田市の主張を支持したことになります。
再試験をすれば簡単な話なのに、なぜそれをやらせないのか。今回の高裁の判断にも疑問が残ります。
前回の控訴審で、仙台高裁は新渡戸家の主張を全面的に認める判断を下し、青森地裁に差し戻していました。
にもかかわらず、青森地裁は新渡戸家「敗訴」の判決を下したため、再び高裁に控訴していたのですが、前回担当した高裁の裁判官3人はどういう理由か異動になってしまったため、一から新たに説明することになったそうです。
十和田市は、新渡戸家が先祖伝来受け継いできた数々の歴史的価値のある所蔵品を譲り受ける(要は収奪する)ことに異常な執念を燃やし、約束に反して予算を一方的に打ち切り、記念館を兵糧攻めにしたり、交通標識から新渡戸記念館の文字を削除したり、様々なネガティブキャンペーンを張ったりして、新渡戸家にあからさまな圧力をかけてきましたので、ここまで来て和解に応じることは有り得ないでしょう。
とりあえず、和解案を提示しても上手くいかなった場合は、新渡戸家側は最高裁に上告すると言っています。
もし上告した場合は、過去の判例から、耐震性の再鑑定を実施しなければならないそうです。
そういう司法判断が下されれば、新渡戸家側が断然有利になります。
もともと「耐震性に問題がある」といいがかりをつけ、新渡戸家に何の相談もなく廃館決議に至ったことから行政訴訟にまで発展しているのですから、もう一度、きちんと鑑定をやり直せば簡単に決着がつく話なのです。
それがここまで長引くとは、日本の司法もどうかしています。
まだしばらくこの闘いは続きますが、引き続き皆様のご支援をお願いいたします。
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