中矢伸一の「日々是弥栄」

日本人の優秀さは、こんなものではない

京都大学特別教授の本庶佑さんがノーベル医学・生理学賞を受賞したことで、日本中

が沸いています。

 

日本人でノーベル賞を受賞したのは、これで27人目(外国籍で取得した3名を含む)

となり、日本は非欧米諸国の中で最も多い受賞者を輩出しているのだそうです。

 

日本人は、すごいですね。

 

ノーベル賞は今や、世界で最も権威のある賞と認識されていますが、一方で、「不要

論」も根強くあるようです。

ただまあ、日本の研究者が世界から高く評価され、表彰されることについては、同じ

日本人として嬉しく、また誇らしく感じます。

 

ですが、私から言わせれば、本当に独創的かつ天才的な科学者というのはもっといま

すし、彼らはこうした権威あるスポットライトを浴びる人たちの中にではなく、市井

に埋もれる形で、ごく一部の間で知られる存在となっています。

 

たとえば、『玉響』今月号(10月号)の対談の中にも出てくる、「千島学説」の提唱

者の千島喜久男博士。

それから、「π(パイ)ウォーター」の開発者の山下昭治博士。

 

いずれも陽の目を見ないうちに死去、あるいは行方不明になっていますし、彼らの科

学的発見は、オカルト科学のように扱われています。

しかし事実は反対で、これらは科学史上、最大級の発見・発明とも言えるものであり、

社会のあり方を変えてしまうほどのインパクトを持つものです。

 

だからこそ、「干された」のです。

今の世の中の流れに沿い、貢献するものであれば評価されるのですが、反対に、これ

を脅(おびや)かすものであれば、それがいかに人類に貢献するものであっても、潰

されるということです。

 

そういう、本当に評価されるべき科学者や研究者は、まだまだ日本に大勢います。

これからも続々と出てくることでしょう。

 

しかも日本は、基礎研究というものを軽視する傾向にあり、あまり予算をつぎ込まな

い国だそうです。

だから中には、海外に移ってまで研究を続ける人もいる。

 

日本の大学にも様々な問題があります。

ここでは言いませんが、大学だけでなく、日本の教育システムそのものに、問題や欠

陥があるのです。

 

これを是正すれば、日本からどんどん天才的な科学者や技術者が現れるようになりま

す。

今でさえ、こんなに優秀なんです。

彼らの能力をいかんなく発揮できるように、環境を整備し、資金面でサポートしてあ

げれば、もっとすごいことになりますよ。