中矢伸一の「日々是弥栄」

新渡戸記念館の廃館をめぐる差し戻し審が結審

8月9日、十和田市による新渡戸記念館の廃館決議をめぐる行政訴訟が、ついに結審しました。

 

仙台高裁における控訴審では新渡戸家の主張が全面的に認められ、青森地裁に差し戻されていたものですが、判決は11月2日に言い渡されることになったということです。

 

新渡戸家としては、記念館の耐震強度を再鑑定することを求めていましたが、地裁はなぜかこれを却下したそうです。

 

もはや上級裁判所にあたる高等裁判所において、新渡戸家の主張は全面的に認められているわけですから、もし万が一、今回の差し戻し審で新渡戸家が敗訴することになった場合、当然、新渡戸家としては控訴することになります。

 

そうすると今度は、青森地裁はなぜ耐震性の再鑑定をやらなかったのかという、司法手続き上の問題になり、高裁としては青森地裁に対し、裁判所による再鑑定を命令することになります。

 

再鑑定が行われたら、十和田市による耐震強度不足というデータが嘘か捏造だったことがバレてしまいます。

 

ということは、これはもうよほどのことが起きない限り、十和田市の敗訴は確定的ということになります。

 

だから十和田市としては、第三者による耐震性の再鑑定なんてことをやられる前に、廃館にして、さっさと記念館を壊したかったのです。

ぶっ壊して跡形もなくしまえば、再鑑定も何もできないですから。

 

そのような十和田市の暴挙と圧力に耐えた新渡戸家と、記念館を支えるボランティアの方々、そして全国の心ある皆さんのお蔭で、ようやくここまでこぎつけることができました。

 

判決が出るまでは予断を許しませんが、青森地裁が真っ当な司法判断を下してくれることを望んでいます。