「ウクライナは善、ロシアは悪」は本当か
ロシアが大方の予想に反してウクライナに侵攻を開始した時には、私も驚きました。
これを書いている最中も、ロシア軍は攻撃の手を緩めておらず、首都キエフ制圧は時間の問題とされています。
主要メディアは一様に、プーチン大統領とロシアに対して非難の大合唱。
アメリカやイギリス、欧州各国、国連も、悪いのはすべてロシアであり、責任の一切はプーチン氏にあるという主張です。
そして、米国政府の発表や米メディアの報道をそのまま垂れ流す日本のマスコミ。
何やら「専門家」らしき人物が地上波テレビに出演し、プーチン氏は精神状態がおかしいとまで言う始末。
そして、この一連の報道に疑問を呈すれば、親ロシアだとか何だとか言われて吊るし上げられる。
おかしいと思いませんか? 私は大いにおかしいと思っています。
べつにプーチン氏が善だとは言いませんし、ロシアの肩を持つわけではありません。
しかし、ウクライナが善だとも思いません。
いや、一般のウクライナの国民は、ほとんどが善良な人たちだと思いますよ。
でも、一般のロシア国民だって、ほとんどが善良な人たちだと思います。
どちらの国民にとっても、戦争なんて嫌だし、平和がいいにきまっています。
それなのに、どうしてこんなことになっているんでしょうか?
世間一般には、大国ロシアが小国のウクライナを、己の勝手な欲にまかせて踏み潰そうとしているように見えているのでしょう。
それは、表面上はそのように見えるだけです。
ウクライナをバックアップしてきたのは、他ならぬアメリカです。
また、アメリカの背後にいる本当の権力者たちです。
イギリスや欧州諸国もこれとつるんでいます。
そう考えると、戦争の構図がガラリと変わってきます。
ロシアはけっして、ウクライナという「国」が欲しくて侵攻したわけではない。
まして、プーチン氏個人の野望によるものだとか、精神がおかしくなっているとか、どれだけトチ狂った分析なんでしょうか。
戦争という行為そのものが「悪」だとすれば、ロシアも、ウクライナも、両方裁かれなくてはなりません。
また、今回の戦争に発展した原因を追究するのであれば、ロシアだけでなく、ウクライナも徹底的に調べないといけません。
そういうふうに、アメリカをはじめとする西側の情報を鵜呑みにせず、感情論ではなく冷静に、かつ客観的に真実を見極めようというジャーナリストや報道機関というのは、日本にはほぼ皆無なのです。
しかし、小名木善行さんや我那覇真子さんは、よくわかっていらっしゃるようです。
さすが、『玉響』に登場される方は違いますね。
「マコトの善は悪に似ているぞ、マコトの悪は善に似ているぞ、よく見分けなならんぞ」(『地つ巻』第17帖)
「悪は善の仮面かぶりて来るぞ」(『日月の巻』第12帖)
あんなふうに一般市民を巻き添えにする戦争を行うロシアは、たしかに「悪」といえば「悪」です。
しかしそれを上回る「極悪」が世界にはいるのです。「善」の仮面を被って。
そこを見抜こうともしないどころか、見た目や表面的な部分に騙され、「善」だと思っているのです。
今回のウクライナ戦争だけでなく、コロナも、ワクチンもそうです。
至るところで「善の面を被った悪」が横行する時代になってきていると、私は危惧しています。