中矢伸一の「日々是弥栄」

日月神示の続編が降りた!?

今回は、以前に書いたものから一部引用してみたいと思います。

 

---------------------------------------------------------

 

つい最近のことだが、私のもとに一通の手紙が寄せられた。そこには、その手紙の送り主のもとに降りたという、神様からのお言葉が書かれてあった。これが「神示」なのかどうか、自分ではよくわからないので、私に確かめてほしいという。

それは次のようなものである。

 

とんでもないこといよいよ始まるぞ、何事も日本からぞ

どんな偉い人でもわからんこの方の仕組みざ

目の玉飛び出るぞ、あいた口塞(ふさ)がらんぞ

今まで隠しておいたミタマ世に出るぞ

小さきこと思ふていては成就せん、大望(たいもう)であるぞ

(りん)どまりと申していたが、今が厘どまりぞ

残る身三分難しいが、ギリギリまで待ちているのざ

仕組みこれ以上遅らせることならんから、神はいよいよ始めるぞ

くどう気つけおいたことのいよいよが来たぞ

見事仕上げてみせるぞ、覚悟はよいか

ひふみ世の元、五十九の身魂ぞ、忘れるでないぞ

楽に暮らせる、光り輝く嬉し嬉しの御代(みよ)近づけり

口説(くぜつ)ないよろこびの世に致すぞよ

 

使われている言葉や文体からして、日月神示の続編的性格を帯びた、正神系の神示と思われる。

しかも驚くべきことに、この個所は、行頭の一字を取って「縦」に読んでいくと、ある言葉が浮び上がるようになっている。

もう一度、見て頂きたい。

 

と、ど、目、今、小、厘、残、仕、く、見、ひ、楽、口

 

「とどめ一厘の仕組み、開く」──と読めるではないか。

 

今の時代、このような神示が降りたことは、大変重要な経綸上の段階に差しかかっていることを表わすものかもしれない。

だが──もう少し冷静になって考えてみよう。

 

上に挙げた「神示」、何かおかしいと感じるところはないだろうか?

 

誠に残念だが、上の“神示”は神示などではない。

そんなことが何故わかるか? 答えは簡単だ。私がたった今、所要時間10分くらいで作った“偽神示”だからである。手紙云々というのも、たんなる作り話。

一瞬信じてしまった方には大変申し訳ないが、こういう偽神示など、ちょっとこういう世界に詳しい人なら簡単に作れるということを見せたかったのだ。

 

種明かしをしなくても、注意すれば誰にでも見抜ける。上の“神示”には、日月神示や大本神諭でよく見られるような言葉が羅列されているが、一度目にしたような語句ばかりで、抽象的な内容に終始している。あたかも「張子の虎」のようなもので、中身がない。

こういう神様っぽい言葉だけで、もし「ハッ」と信じてしまうような人は、少し慎重になった方がいいかもしれない。

 

じつは、世間には昔から、このような偽神示の類が横行している。こうした“神示”を受ける(書く)人は、べつに嘘をついているわけではなく、自分以外の“意志”が、何らかの言葉を伝えている。だから本人は本当にそう信じている。

しかしその正体は、ほぼ100%が低級霊か、動物霊の類か、自分の自我意識と対話しているに過ぎない。

表面的には「神示」らしかったり、神様からのお言葉っぽかったりする。だが、よく注意して読むと、どこかで聞いたような抽象的な内容で、結局中身がないのである。

 

「幽界霊も時により正しく善なることを申すなれど、それはただ申すだけであるぞ。悪人が口先だけで善を語るようなものであるぞ。よいことを語ったとて直ちに善神と思ってはならん。よい言葉ならば、たとえ悪神が語ってもよいではないかと申すものもあるなれど、それは理屈じゃ、甘ければ砂糖でなくサッカリンでもよいではないかと申すことぞ。真の善言真語は心、言、行が一致しておらぬと力せぬ。偽りの言葉は、落ち着いて聞けばすぐわかるぞ。同じ『ハイ』という返事でも、不満を持つ時と喜びの時では違うであろうがな。われは天照大神なり、などと名乗る霊にロクなものないぞ。大言壮語する人民はマユツバもの」(『龍音之巻』第14帖)

 

なぜ彼ら低級霊(幽界霊)が、“神様のお言葉”のふりをしてそういう言葉を伝えてくるのかというと、それを信じる人たちが増えるにつれ、彼らの幽界での勢力が大きくなるからだろう。人間界で言えば、ヤクザが縄張りを大きく拡げようとする行為に似ている。

 

自我意識の場合は、本人の深層意識に、「自分は特別な存在だ」という強い思い込みがあるようだ。それが自己欲から発したものであれば、そこに幽界霊が感応し、互いに引き合う場合もある。似たもの同士は引かれ合うのである。

 

※以上、月刊『ザ・フナイ』連載 第69回 ~激動の時代、本物の生き方~<6>

【「読むだけ」から「行動する」へ】より抜粋(本コラムに合わせて一部訂正)

 

---------------------------------------------------------

 

何を信じるか、信じないかはもちろん個人の自由ですが、日月神示の文体によく似ているとか、同じ霊系統からの神示だと信じる前に、ちょっと立ち止まってよく考えてみることも必要かもしれません。