Media 有志の会より時事情報をお届けします ※必ずしも中矢伸一個人の意見ではございません

少子高齢化問題に関する考察


画像出典:財務省 Ministry of Finance Japan
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/sy014/sy014f_a.htm

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「Amazon Go」なら大型スーパーでも最低3人で運営できるらしい…|ギズモード・ジャパン 2017.02.12
http://www.gizmodo.jp/2017/02/amazon-go-minimal-supermaket.html

【要約】
Amazonでは床面積1万~4万平方フィート(約930~3700平方メートル)のスーパー型の店舗を全米に展開するアイデアを練っているらしいのです。しかもそのスーパーの運営にかかる人数は、最少たった3人、多くても10人しか必要ないんです。
平均的なAmazonのスーパー型店舗運営に必要な人数は6人


【コメント】3日木堅
以下のどちらが正しいと思いますか?

Aさん曰く、
少子高齢化の人手不足に朗報。単純労働は、自動化すべきだ。
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Bさん曰く、
地域の雇用を奪うものだ。
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おそらくどちらにももっともらしい賛成意見が返ってくることでしょう。

結論から言えば、設問が間違っているのだと思います。
いつの時系列を前提としているのかが不明だからです。
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①高齢者問題段階的拡大期
現在~団塊世代が平均75歳の後期高齢者となる2025年ころまでの話(『2025年問題』)
②高齢者問題第一次ピーク期
平均寿命上、団塊世代のほとんどが鬼籍に入る2025~2035年ころまでの話
③高齢者問題小康状態期
2035年~2050年
④高齢者問題第二次ピーク期
2050年~2060年
第二次ベビーブーム(団塊ジュニア)世代の後期高齢期突入10年間
⑤高齢者問題克服期
2060年ころ以降

少子高齢化問題は、この時系列を明確にした議論が必要であると思います。
今日明日といった短期の対策と、30年後を見越した対策とを混同していては話がかみ合いません。


そもそも論に立ち還れば、人口減少という環境の変化への対応としては、
◯ 人口を増やす(社会構造は現状維持)、
◯ 減少した人口に社会構造を適合させる、
という大きくは二つのアプローチがあります。

子育てしやすい環境づくりというアプローチは人口増加策として間違いではないと思いますが、短期に劇的なベビーブームを起こすようなものにはなり得ず、人口構造変化には最低50年程度は必要とするであろう気の長い政策という整理になります。(仮にベビーブームを起こすことに成功しても、急激な変化は、再び将来の同種リスクをはらみます。)
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短期的には移民という手段がありますが、これは日本という国を守るためにはありえません。目先のメリットに目がくらんで、やっぱりやめたの通用しない多くの致命的デメリット、半永久的な文化破壊リスクを背負い込む最悪手です。

(ここに来られる方々であれば、そこに議論は不要だと思います。)


であれば、当面の少子化対策の正念場を迎えるこの10~20年間という短期スパンにおいては、「人口の方に社会を合わせる」というアプローチしかもうないのだという諦め=覚悟が必要だということです。
人減らしという一般的なリストラの概念と似ているけど反対、減ってしまった人数に経営・運営を合わせていく逆リストラです。
当面の人口で成立する労働環境、社会保証制度に作り直すしかありません。
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ワークライフバランスだ、プレミアムフライデーだと、口先だけの「もっと休め、早く帰れ」号令ではなにも解決しません。
「いくらでも休んでいいけど、同じ仕事量はこなしてね」と、結局はそう言っているからです。

団塊世代が社会の中心だったころ、人がたくさんいた時の感覚(業績)を無意識に基準としたアウトプット及びクオリティを、そのまま「惰性」で社会が求めています。
日本人の真面目さ故に、手を抜けない皮肉でもあります。
頭ではわかっていても、まだ本質的には環境の変化をまったく受け入れていないということです。現状は個人に負担を強いて、茹でガエルの現実逃避をしているだけです。
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環境の変化を受け入れない理由は、社会全体において大なり小なりの既得利権を守ろうとする抵抗勢力の存在もあると思います。
例えば人口が半減した自治体なら、市町村議会の議員定数や役所の職員定数等を、半数とは言いませんが少なくとも再構成しなければならないはずですが、リストラへの抵抗は大きいでしょう。
社会保障財源の捻出策としては、大半が不要とも言われる国民医療費が年間41兆円(参考:防衛予算は5兆円)というべらぼうな財源がありますが、そこにメスを入れようものなら、あっという間に首謀者はスキャンダルで失脚させられるか不審死を遂げることでしょう。
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だからこそ、社会がまだ我慢できる範囲においては、現実逃避的策が幅を利かせるわけですが、
社会全体の空気感として「もう限界だ!」という集団想念が満ちたとき、初めてそのような既得権益に切り込むタブーは消滅すると思います。
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現実問題、その「もう限界だ」という臨界点は目前(もしくは通過してしまっている)と思いますが、そのエポックメイキング的きっかけが必要です。
茹でガエルの状態を脱するためには、カエルに「もう少しで死んでしまいますよ」ということを口で教えてあげるだけでは不十分で、
火力をギリギリまで一気に強くして気づかせるか、力づくで窯から引きずり出すしかないでしょう。
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天変地異、戦争・内乱、経済混乱等といった類の瞬間的・外圧的変化が、意識改革のためには必要なのかもしれません。
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日月神示 上つ巻 第三十八帖(三八)
残る者の身も一度は死ぬことあるぞ、死んでからまた生き返るぞ、三分の一の臣民になるぞ、これからがいよいよの時ざぞ。
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最後にもう一度だけ、そもそも論に戻ると、
人口が減ること自体は必ずしも悪いこととは限りません。
地球(日本)全体のキャパシティ(資源埋蔵量、食糧生産限界、浄化限界、面積限界)に対して人口が多すぎるという考え方もできます。
仮に地球が温暖化ではなく急激な「寒冷化」を迎えることがあれば、食料自給限界はかなりシビアな問題となるわけであり、人口がある程度減った状態の方が社会としてのショック耐性は大きくなります。
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自然に人口が減少することで、天変地異や陰謀論的な強制的大規模人口削減がなくて済むかもしれないというのは、大難を小難にしてもらっているのだという解釈もできるかもしれません。

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発散した話をまとめると、
①時系列としていつの段階での対策を論じているのかを明確にすること
→ AI失業問題等の効率化に係る議論は、時間軸で結論が違う。
②少子高齢化の対処策として、短期・中期的アプローチとしては人を増やすというオプションはありえないと諦めること

→ 移民などという選択肢はない。
③人口が減るという前提に立てば、
・AI、ロボット等による効率化(生産性向上)
・人数に見合ったアウトプットの低下を、社会(需要と供給双方側)が受け入れる。
→ この真逆とも見えるふたつの方向から、タブーを排して進めていく以外方策がない。
④人口が減ること自体には、善も悪もない。
→ 人口には上限があり、人は環境の変化に適応しなければならないというだけ。
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以上です。
長文失礼しました。
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(参考)過去記事
河野太郎氏と議論!移民・人口減少問題【CGS 河野太郎 神谷宗幣 対談1/3】 2017年04月03日

河野太郎氏と議論!移民・人口減少問題【CGS 河野太郎 神谷宗幣 対談1/3】

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