Media 有志の会より時事情報をお届けします ※必ずしも中矢伸一個人の意見ではございません

北朝鮮ミサイル発射分析(5月14日)15日追記

 


写真出典:

http://japan.hani.co.kr/arti/international/21129.html

共同通信:https://this.kiji.is/236233358741667846?c=77275965827384821

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弾道ミサイルは700キロ飛行 韓国・文在寅政権に最初の試練 2017.5.14 08:16
http://www.sankei.com/world/news/170514/wor1705140017-n1.html
政府関係者「30分飛行」を重視 Jアラートは「使用せず」2017.5.14 09:22
http://www.sankei.com/politics/news/170514/plt1705140019-n1.html

米太平洋軍「飛行特性がICBMでない」と声明 2017.5.14 09:07
http://www.sankei.com/world/news/170514/wor1705140022-n1.html
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【要約】
北朝鮮が発射した弾道ミサイルは北朝鮮西岸から東北東へ約800キロ飛び、朝鮮半島の東約400キロの日本海上に落下したと推定されると発表した。
政府関係者は、ミサイルが30分程度飛んだことから事態を重くみているとの認識を示した。
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菅氏は「発射されたミサイルがわが国に飛来する可能性はないと判断したため、Jアラートは使用していない」
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【コメント】14日10:30木堅
今回の事実関係として大きなもののひとつとして、
「発射を『失敗』していない弾道ミサイルに、米軍が何もせずスルーしている。」
ということがあります。

4月29日のときも書きましたが、本来発射を許した瞬間、核戦争という危機です。米軍がびっしりと展開した状況での発射は、即核戦争の危機であり、それが「核兵器のロジック」です。
前回は「発射を失敗したことにより核戦争を回避した」という見立てでしたが、
今回発射成功したミサイルに対して、米国が何も反応せずスルーしたということです。(米本土に届かなければいいという問題ではありません。在日米軍基地の持つ戦略的価値とは非常に重いものです。そして米軍人の家族を含めれば約10万人、トランプ政権にとって日本への弾着は許容できるものではありません。)
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そしてももうひとつ、
日本側声明に、大きなウソがあると思います。
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菅官房長官「発射されたミサイルがわが国に飛来する可能性はないと判断したため、Jアラートは使用していない」
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Jアラートというものは、避難の時間の余裕を得るために本来「発射の瞬間」に発令するものです。
「発射と同時に『弾種・弾頭・目標(射距離)を瞬時に判断』し、その結果安全を確信したから、Jアラートを使用しなかった。」
そのように言っているということです。
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「弾道ミサイル(大気圏外に一度でる)」という分類を言い切っている以上、最低限スカッドC以上という認識を持っていることになりますが、
撃った瞬間に、日本まで射程の届かない弾種だと特定したということになります。
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しかし一般的弾道軌道の図(これは要図にすぎませんが)をみればわかりますが、射程600km程度のスカッドCだと断定するにも、最低200km程度の飛翔軌道を確認する必要があるでしょう。
しかも今回約800km(30分)の飛翔が確認されています。
改良型と言われている日本を射程に収めるスカッドERと呼ばれるものや、ノドンである可能性があるわけですから、弾道軌道から、200km飛翔段階まで見届けてもその時点で「日本領域への弾着の危険性はない」と判断できたはずがありません。800kmで弾着してくれたのは結果論です。
亀城から東北東という軌道であれば、日本が経路延長上になかったという理屈も無理です。そうでなければ、ロシアに向けられていたことになり、プーチンが黙っていません。
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これでJアラートを使わずいつ使うんだ?ということです。

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「発射の瞬間に弾着点は断定できない。」
これを前提に可能性の場合分けをすれば、

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①Jアラートが故障していた。
②パニック防止のために、国民に隠した。
③発令の判断に迷っているうちに、手前に弾着してくれた。
④撃つ前から、弾種・弾着予定地域を知っていた。

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この4つくらいに集約されると思います。
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①は野党勢力にすぐバレるし、政権のダメージも大きいので消せます。
②については、「いまから避難させても混乱が大きくなるだけだから隠す」というものですが、その際は政府・自衛隊・警察等が弾着予想地域に対して招集が同時にかけられていたはずですが、そのような動きはなかったようです。③を含めてJアラートの趣旨からすると、空振りでもいいからやったほうが、改憲の追い風ともなることから政権としてプラスとなると思いますので、今の安倍・菅体制であればこれも消せるでしょう。
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何度も同じことを反復して恐縮ですが、やはり④の「知ってた」という可能性がどうしても高いという結論が導かれます。事前に知っていて安全を確信していれば、前回も発令しなかったということと今回も足並みをそろえようとする判断がでてくると思います。逆に知っていてもJアラートを発令したっていいわけですが、それをしないのは今はあまり危機感を煽りたくないという思惑もあるかもしれません。

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米軍がスルーしたということと総合すれば、④の「知っていた」と断定できると思います。
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ちなみに以前、北朝鮮のミサイル発射失敗の自作自演説(4月29日)について書いたときに、
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「アメリカのレッドライン(許せない範囲)を考慮していない(これは許せる範囲だから米国が黙認している。)」という意見がありました。
要は今回のミサイルの射程では弾道ミサイルとは言えず、アメリカの尾を踏むに至っていないという趣旨です。
それは結果からモノを言っているのであって、発射の瞬間その全貌を知りえるのか?ということです。
仮にアメリカの情報力をもってすれば事前にすべてを知りえるのならば、突き詰めれば結局「自作自演」ということに行きついてしまいます。(過去記事参照)
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前回4月29日からの大きな変化事項
・「失敗」ではない弾道ミサイルに米軍が反応していない(本日)

・トランプ「金と会ってもいい」(5月1日)
・米朝「秘密」会談(米:元高官、北朝鮮:外務省局長級)ノルウェーで開催(5月9日)
・韓国大統領選文在寅で決着(5月9日)
・THAAD初期運用開始5月1日~
・北朝鮮とイスラエルとひと悶着(4月29日)
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(今後の見立て)
◆北主導での朝鮮半島統一
◆米国主導による中国崩壊(グローバリズム対ナショナリズム)
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という大きな方向性での見立てに変更はありませんが、
正反対にも見える兆候が織り交ざる錯綜状況であり、読み解くのに難しさを感じています。
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日々是精進で、引き続き観察していきたいと思います。
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(追記)
北朝鮮ミサイル射程4千キロ超か 共同2017/5/14
https://this.kiji.is/236300173998112770
新型の弾道ミサイルか 「高度2千キロ超は初めて」と稲田朋美防衛相 産経2017.5.14 09:32
http://www.sankei.com/politics/news/170514/plt1705140020-n1.html
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(再追記)15日08:00

北朝鮮ミサイル、ウラジオストク南方海域に着弾か
https://www.cnn.co.jp/m/world/35101118.html



米軍発表(CNN)によれば、ウラジオ沖弾着のようです。
それを信じるとすれば、ロシア国境すれすれ、日本には稚内が少し引っかかるかどうかという、気遣いたっぷりな軌道だと読み取れます。

北朝鮮のロシアに対する威嚇意図があるかどうかまではわかりませんが、
米軍としては、「ICBMではなかった=米本土へは届かない。」(射程4000kmクラスだが)
「ウラジオ沖弾着=ミサイル軌道延長上に、在日米国人への危険はない」

ということを言うための発表であったと読み取れます。

米軍がガッツリ展開中の中ですので、
米国世論向けには、普段のようなスルーという訳にはいかず、何かしらの言い訳が必要なのかもしれません。

一方の日本はJアラートがならなくても全く問題視しない平和ボケっぷりですが、、、


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(関連過去記事)
【北朝鮮危機】在韓邦人、ソウル~釜山~本邦への退避について 2017年05月07日

【北朝鮮危機】在韓邦人、ソウル~釜山~本邦への退避について


【速報】北朝鮮ミサイル発射失敗に係る分析 4月29日 2017年04月29日

【速報】北朝鮮ミサイル発射失敗に係る分析 4月29日

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