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安保法制1年 朝鮮半島有事で自衛隊は… 進む検討、見える限界

 

出典元:
安保法制1年 朝鮮半島有事で自衛隊は… 進む検討、見える限界 産経2017.3.29
http://www.sankei.com/politics/news/170329/plt1703290004-n1.html

 

(関連)

「敵基地攻撃能力の保有必要」自民・安全保障調査会が緊急提言 30日に安倍晋三首相に提出へ 2017.3.29
http://www.sankei.com/politics/news/170329/plt1703290025-n1.html
【要約】
「米国にとって大事なのは、国連平和維持活動(PKO)の駆け付け警護よりも、集団的自衛権だ。これで米国の日本を見る目が変わった」
事態がエスカレートし、日本の存立を脅かす「存立危機事態」となれば、全面的な戦闘を意味する武力行使が可能で、戦闘の有無にかかわらず活動できる。
だが、日本の存立が危機に陥らなければ集団的自衛権は行使できない。安倍首相は、これ以上の法改正は憲法改正が必要としている。
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◆集団的自衛権行使の3要件
(1)日本と密接な関係にある他国が武力攻撃され、日本の存立が脅かされる明白な危険がある事態(存立危機事態)
(2)我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない
(3)必要最小限度の実力行使
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◆敵策源地攻撃(先制)について
弾道ミサイル発射基地に対する敵地攻撃3つの区分
1. 予防攻撃(preventive attack)…敵がミサイル発射に着手する前に攻撃/国際法違反/違憲
2. 先制的自衛(preemptive self‐defense)…敵がミサイル発射に着手した時点で攻撃/ミサイルの場合ならば国際法と整合/合憲
3. 反撃/反攻策源地攻撃(counter attack)…日本が攻撃の被害を受けた後に反撃/国際法に適合/合憲
【コメント】3月29日木堅
日本が他国に武力行使をするには以下の二つのケースがあります。
①個別的自衛権の発動
武力攻撃事態認定(武力攻撃予測事態を経て)→防衛出動下令

②集団的自衛権の発動
存立危機事態認定(3要件)→防衛出動下令
まず①の個別的自衛権については、敵国軍が揚陸艦に乗船して大船団で押し寄せるような事態となれば、敵が先に撃つとかなしに、防衛出動下令されますので、武力行使可能です。
しかし、現状として日々ありふれた領空侵犯に対するスクランブル、尖閣正面における中国海警による領海侵犯については、小規模の挑発レベル故に「武力攻撃事態/武力攻撃予測事態」の認定ができないため、「自衛隊は攻撃されないと反撃できない」という状態にあります。

 

ちなみに自民党で検討されている弾道ミサイル基地に対する敵地先制攻撃については、①の中の「先制的自衛(予防攻撃ではない)」の枠組みの議論になります。予防攻撃については、明らかに違憲ですが、先制的自衛という枠組みにおいては、専守防衛において実施可能で憲法改正を必要としません。(「交戦権を認めない」という文言は直す必要があると思います。)しかし野党・メディア側のプロパガンダにより、予防攻撃と故意に混同させられている状況だと思います。
②の集団的自衛権については、「日本と密接な関係にある他国が攻撃される」という条件があります。
さらに「日本の存立が脅かされる」、「他に手段がない」という条件を満たすためには、白紙的には日本の領土・領海・領空に直接的脅威の及ぶ事態、あるいは自衛隊の部隊がその近傍に位置する事態ということが想定されると思います。
具体的に言い直せば、
「米軍が攻撃されていること」
かつ「日本領土・領海・領空近傍であること」あるいは「自衛隊航空機・艦艇の近傍であること」
という条件になると思います。
ただし米軍については、白紙的に米軍から仕掛ける事態が想定されます。その場合自動的に米軍が反撃を受けることになるため、「米軍が攻撃すること」と「米軍が攻撃されること」とは本質的に差異がなくなります。どっちが先かという問題はナンセンスです。

結果、在日米軍基地が敵国攻撃対象となることから、「日本の存立が脅かされる」かつ「他に手段がない」という集団的自衛権発動の要件を満たすことになります。
結論として総合すると、
大規模侵攻のような明確な兆候があれば、「敵が先に攻撃してからでないと反撃できない」ということはありませんが、小規模の挑発的行動に対しては、確かに自衛隊は攻撃を受けてからでなければ、自衛隊は反撃できません。
米軍による対中国、朝鮮半島における軍事作戦については、仕掛けたのがどちらかに関わらず自動的に集団的自衛権の発動要件を満たすと考えられます。(個人の見解です。)

しかしながら、仮にちまたの風評にある「金正恩斬首作戦」のように米軍が北朝鮮を攻撃したとして、それに併せて日本が上陸して拉致被害者救出作戦を遂行できるかと言えば、やはり疑問です。
どこか一カ所に囚われの身であるとかなら可能姓もありますが、そうではないため、ピョンヤン占領のような大規模作戦とならざるをえません。
地上戦力を海外に乗り込ませることは、「必要最小限度」という尺度を大きく逸脱することになります。

 

集団的自衛権の枠組みにおいて、地上戦力(陸上自衛隊)の武力行使は考えにくく、やはり海空戦力の範囲ではないかと思います。
最後に日本が攻撃されてからでないと反撃できないのは「遅い」という議論がありますが、まさにそのとおりであると思います。
ただその縛りから解放されるためには、9条の精神を完全放棄して、普通の国にならなければなりません。
9条の「陸海空戦力を保持しない」「交戦権を保持しない」という条文は修正すべきであると思いますが、「専守防衛」という概念は、日本人の考え方と合致しており、やはり日本からは仕掛けないという枠組みにならざるを得ないと思います。

日本から仕掛けることはないが、日本に攻撃したら必ず痛い目に会わせる(挑発には経済制裁)という抑止的法整備・防衛力整備・外交態度が必要なのだと思います。

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